聞く側の姿勢

挙手をして、発言をします。とても勇気がいることです。自分の意見が否定されないか、合ってるかどうか、気になります。聞く側がどんな意見でも受け入れる姿勢があればどうでしょう。言いやすい空間になります。一つの意見に付け足しをしながら進めていけるなお良いですね。居心地のいい空間を目指し、支持的風土のよい環境を目指したいものです。

疑問

学習は、やれと言われるほどやりたくなくなるものです。知的好奇心をくすぐってあげると自然に学びたくなるものです。人は自分が『見たい、知りたい、やりたい』と思わなければ『やろう』と思わないからです。授業も同じです。最初の最初が肝心!

科学的

科学的な見方、考え方を養いましょう。とよく言われます。そもそも、科学的とはどういう事でしょうか。科学的とは『実証性』、『客観性』、『再現性』が保証されていることです。実証性とは、観察、実験を通して仮説があっているかどうか検討できるものであること。客観性とは、誰が見てもその実験方法から導かれる結論に納得できるものであること。再現性は、同じ状況下で、同じ実験をすれば誰でも同じ結果が得られるということ。このすべてが満たされて初めて『科学的』と言えます。

実際に、教育現場では科学的な思考力、判断力を養うように、指導がなされています。しかし、子どもたちは『科学的に』考えて、実験し、結論を導き出せているでしょうか。自分の班の実験結果が他の班と違ったり、教科書と違う結果が出ると『ああ、失敗したんだな』と思いますよね。気をつけたいことは、失敗は失敗という一つの結果に過ぎないということです。失敗という言葉を絶対に使ってはいけません。膨大な実験データをプロットしていって初めて教科書のデータに近づくのです。1回の実験でドンピシャりと欲しい結果を出すことは至難の技です。ある意味それは、科学的ではなく、超能力か何かの部類でしょう。故に、1時間ないしは2時間の授業で『科学的に』考えて、実験し、結論を導き出すことは簡単ではありません。まずは、予備実験をして、万全の状況で実験をさせ、そこで生じた予想外の結果を補填できるような授業展開を心掛けていきたいです。小学校3年生の授業では、『風とゴムの働き』を通して比較する力を身につけます。おおよその学校は、市販のキットを使うと思いますが、研究授業での検討や妥当な結果が欲しい方はぜひ私どもの論文を参照していただけると幸いです。

『教具の違いによる実験における測定の正確さの意識と実験結果を分析して解釈する認識についての一考察』

調べ学習

一人一台にタブレットが配布されて、さまざまな情報が簡単に手に入る時代になりました。調べ学習でも図書館へ行かずとも手元のタブレットに知りたいワードを検索すれば関連する言葉が山のように出てきます。『りんご』と入力すると、『バラ科リンゴ属の落葉高木、またはその果実のこと。植物学上はセイヨウリンゴと呼ぶ。春、白または薄紅の花が咲く。人との関わりは古く、紀元前から栽培されていたと見られ、16世紀以降に欧米での生産が盛んになり、日本においても平安時代には書物に記述がみられる』と出ます。さらに画像付きです。なるほど、りんごの特性が分かります。子どもたちも、一生懸命にプリントに書きます。しかも、びっしり。見ている側は、静かに取り組む姿に安堵します。これだけ一生懸命調べたのですから期待して聞いてみます。『りんご』って何か言ってごらん。たいていの子どもはこう答えます。『赤くて丸い甘い食べ物。』。あれだけ調べ、見て、書いたのにも関わらず、たったこれだけの情報しか入ってないのです。がっかりです。つまり、子どもは時間をかけて調べてもほんの一部の情報しか頭に入っていないのです。いや、入らないのです。なぜなら、知らない言葉が多すぎるのですから。知らないけど、ネットに書いてあるのだから間違いではないのだろう。これを書いておけば大丈夫だろう。と考えるのです。自分で考えて、判断し、表現するには簡単なことではないことがわかります。情報化社会の渦の中、何気なく、いろいろな学校にタブレットが導入されるようになりましたが、果たして子どもは有効的に使用しているでしょうか。少なくとも私はまだまだ子どもに使いこなさせている自信がありません。