科学的

科学的な見方、考え方を養いましょう。とよく言われます。そもそも、科学的とはどういう事でしょうか。科学的とは『実証性』、『客観性』、『再現性』が保証されていることです。実証性とは、観察、実験を通して仮説があっているかどうか検討できるものであること。客観性とは、誰が見てもその実験方法から導かれる結論に納得できるものであること。再現性は、同じ状況下で、同じ実験をすれば誰でも同じ結果が得られるということ。このすべてが満たされて初めて『科学的』と言えます。

実際に、教育現場では科学的な思考力、判断力を養うように、指導がなされています。しかし、子どもたちは『科学的に』考えて、実験し、結論を導き出せているでしょうか。自分の班の実験結果が他の班と違ったり、教科書と違う結果が出ると『ああ、失敗したんだな』と思いますよね。気をつけたいことは、失敗は失敗という一つの結果に過ぎないということです。失敗という言葉を絶対に使ってはいけません。膨大な実験データをプロットしていって初めて教科書のデータに近づくのです。1回の実験でドンピシャりと欲しい結果を出すことは至難の技です。ある意味それは、科学的ではなく、超能力か何かの部類でしょう。故に、1時間ないしは2時間の授業で『科学的に』考えて、実験し、結論を導き出すことは簡単ではありません。まずは、予備実験をして、万全の状況で実験をさせ、そこで生じた予想外の結果を補填できるような授業展開を心掛けていきたいです。小学校3年生の授業では、『風とゴムの働き』を通して比較する力を身につけます。おおよその学校は、市販のキットを使うと思いますが、研究授業での検討や妥当な結果が欲しい方はぜひ私どもの論文を参照していただけると幸いです。

『教具の違いによる実験における測定の正確さの意識と実験結果を分析して解釈する認識についての一考察』